みなさんこんにちは、マーです。
今回は災害リスクについて考えてみたいと思います。
日本に住む限り、災害とは無縁ではいられません。
だからこそ「リスクを知ること」からすべてが始まります。
生きるとは、活動エリアを知ること
私は東日本大震災を当時の職場で体験しました。
3分ほど続いた激震は本当に立っていることもできず、
天井を見上げながらただ生き延びることだけを祈っていました。

ちょっとちょっと!初っ端から重いってばw!
揺れが収まり外に出ると、変わり果てた街の姿がありました。
私の住む街は震度6強と報じられ、故郷の街では1か月以上も断水が続きました。
周辺地域はすべて水道・電気・ガス・鉄道・電話など全インフラが機能不全を起こし、道路は各地で陥没、歩道のマンホールはメートル単位でせり上がり……、と普段の生活はわずか数分でもろくも崩れ去るのだと痛感した記憶があります。
14年経ち、各地で震災があるたび、被災したあの街は忘れられません。

そういえば灰都の北方って書いてあるけど……
コードネームで活動しているので詳細な場所は秘密ですが、甚大な被害があった地とだけお伝えしておきます。
……そろそろ、いつもの感じで書きますね。

たのむよホント
日本は災害大国ですから「どの地域に住んでいるか」で備えの優先度が変わります。
まずはあなたの活動エリアにおいて、エリア「全体像」を知ることが防災の第一歩です。
ゲームプレイ中にマップは頻繁に見るのに、リアルマップを見ないのはなぜ?
昨今では、広大な仮想世界を舞台にしたオープンワールド型のゲームが数多く楽しめます。
その際に表示されるマップを見て、次の活動拠点はどこにしようかなどと考えるだけでも楽しいですよね。
それ、リアルでもやりませんか?

え? できるの?
ハザードマップポータルサイト(国土交通省)が無料で公開されています。
通常の地図だと施設や道路は描かれていますが、ここで公開されている地図は洪水や土砂災害などが詳細に描かれています。
とくに災害種別を重ねて閲覧できる「重ねるハザードマップ」が優秀すぎて、それをもとに「リスクゾーン」が確認できます。
とりあえず、「現在地から探す」だけでも押してみましょう。
大丈夫、変なツボとか売りつけませんよ。
ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/

なによ、お宝とか載っていないじゃない……
よく考えてみてください。
お宝はあなたがいつも享受している「日常」にあるものです。
大切な日常を一瞬で失わないようにするための、危険情報がネットで無料かつ自由に閲覧できるのです。
これを活かさない手はありません。
一度でも自分の街のハザードマップを見れば、「備えるべき理由」がはっきり見えてきますよ。
日本は自然災害のデパート
考えてみれば日本の国土面積は世界61位とさほど広くないのに、自然災害によく見舞われます。
ざっと思いつくだけでも以下の自然災害があります。
- 地震(南海トラフ・首都直下・活断層地震)
- 津波(太平洋沿岸)
- 台風、豪雨(九州・四国・紀伊半島・東海・関東)
- 洪水・土砂災害(傾斜地・山間部)
- 火山噴火(全国各地に分布する火山帯)※四国のみ活火山が存在しません。

地震と言えば、南海トラフのリスクもあるよね。
国土交通省は「国土交通白書2020」で巨大地震のリスクとして、こう記しています。
『マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%(2020年1月24日時点)とされている。なお、同委員会は、南海トラフでは過去1,400年間に約90~150年の間隔で大地震が発生していることから、次の地震までの間隔を88.2年と予測している。1944年の昭和東南海地震や1946年の昭和南海地震が発生してから、2020年は約75年を経過しており、南海トラフにおける大地震発生の可能性が高まっている。』
また、南海トラフ地震は以下の数字が内閣府から公表されています。
あくまでも最悪を想定した数字であることを理解したうえで、ご覧ください。

(;゚ Д゚)ゴクリ・・・
- 死者数:最大32万3千人(東日本大震災の約17倍)
- 全壊及び焼失棟数:最大238万6千棟(東日本大震災の約18倍)
- 上水道:最大3440万人が断水により使用不可能
- 下水道:最大3210万人が利用困難
- 停電:最大2710万軒(東海、近畿、四国では約9割停電)
- 都市ガス:最大180万戸の供給が停止
- 固定電話:最大930万回線が通話不能
- 携帯電話:輻輳により大部分の通話が困難、ネット接続できないエリアも発生
- 道路:路面損傷、沈下、橋梁損傷等4万ヶ所
- 鉄道:路線変状、路盤陥没等1万9千ヶ所
- 港湾:係留施設5千ヶ所で被害、対象防波堤126~135kmで被害
- 空港:中部国際、関西国際、高知、大分、宮崎空港は津波で浸水
- 帰宅困難者:京阪都市圏最大660万人、中京都市圏最大400万人
- 避難者:1週間に最大950万人
- 食料:発災後3日間合計で最大3200万食不足
- 飲料水:発災後3日間合計で最大4800万L不足
- 医療:被災都府県で対応が難しくなる患者数は最大入院15万人、外来14万人
- 経済的被害:合計約215兆円(東日本大震災の10倍以上、日本の国家予算の2倍以上)
(詳しくは、内閣府の想定資料をご覧ください)

なによコレ?!ヤバさの次元が違う!
東日本大震災をはるかに超える想定被害が予想されていますね……。
しかし、これらは内閣府から出されている最悪のシナリオです。備え次第で被害は減らせます。

ねぇ、いつ起こるのよ?!
ひとまず落ち着きましょう。
まず、現代の科学でも確実な地震予知は不可能と言われているほどです。
とはいえ、どの地域でどんな地震が起きそうかは公表されています。(⇒全国地震動予測地図)
自然災害はいつ発生してもおかしくない、こう考えているくらいでちょうどいいと思います。
自分の居場所を点検する
不安にさせてごめんなさいね。
むしろ、落ち着いて状況を把握してほしいのです。
ここまでくると防災グッズに走りがちですが、まずあなたの居場所にどんなリスクがあるかを知ってほしいのです。
前述のハザードマップポータルサイトやお住まいの自治体で公表されているハザードマップを見てください。

ウチは高台だし洪水こないよー?
いえ、それでも見てください。
東日本大震災では内陸部のダム湖が決壊した事例もありました。
また排水が追い付かず、豪雨があるたびに浸水するエリアもあるのです。
海岸や河川が近くになくても浸水被害は起こりえるものです。
それ以外にも土砂災害、液状化、融雪による火山泥流など想定していなかった災害も起こりえるということを知っておきましょう。
「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っています」
災害リスクを知ったら、「どの災害が一番起こりやすいか?」を特定すると備えやすいものです。
活動エリアが埋立地なのか、海岸・河川沿いか、あるいは山間部なのか。
もしよくわからないのなら、とにかくその地域のハザードマップを見てみましょう。
たとえば週末に、自宅・職場・実家、それぞれのリスクをマップで見比べてみるというように、できれば活動エリアの災害トップ3くらいは把握しておきたいですね。

防災対策の第一歩は、まずは敵を知ることなのね。
次回は「食糧」をどう備えるかを考えてみましょう。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。

フィールドでのリスクを把握せよ
生きぬく!研究所 
