みなさんこんにちは、マーです。
今回は食料備蓄について考えてみたいと思います。
人は食べたものでできている
なぜ「食糧備蓄」が最優先なのでしょうか。
それは、一番はじめに尽きるのが「食」であるからです。
もし今、震度6強クラスの震災に直撃したとき、どんなことがおこるかご存じですか?
エリア内で販売している食料品があっという間になくなります。

あっという間なの?そんな……
少なくとも東日本大震災ではそうでした。
発災後、数十分と経たずにスーパーやコンビニの商品陳列棚からほぼすべての食材が消え去りました。
あのときほど、「自分や家族を守る最後の砦は家庭内備蓄しかない」と強く感じたことはありません。

南海トラフが発生したら、まったく同じこと、もしかしてそれ以上のことが起こるよね……
本能的に「飢餓」が死に直結すると感じるのです。
とくに近年は手軽に食べられる食が増えたため、調理不要ですぐに口にできる食料ばかりが発災直後にあっという間に消えます。
日ごろの食生活が短絡的な発想に至らせてしまうのかもしれません。
人間は極度の不安に陥ると、原始時代に逆戻りしてしまうのですよね。
太古の昔に食糧を探し求めていた時代の記憶が、多くの人をそうさせてしまうのかもしれません。
72時間の壁
災害発生から72時間(3日間)以内が人命救助のタイムリミットとされる考え方があり、これを「72時間の壁」と言います。
しかし救助されるシーンでなくとも、この72時間は意識したいところです。
停電や断水が72時間以内に復旧するとは考えないほうがいいでしょう。
これは電力会社や水道局が怠惰なのではなくて、あまりに広範囲に災害が及ぶと復旧すらもままならなくなるからです。

広域で災害発生すると人手も時間も足りなくなるよね。
考えてもみてください。
- 停電で炊飯器が使えない
- 冷蔵庫の中身が腐り始める
- お湯も作れないからカップ麺も食べられない
いつもの生活インフラが一瞬で奪われます。
そして周辺各所で火災や建物倒壊が起き、一刻を争う事態が繰り広げられます。
そんな地獄絵図のような状態で「おなかすいた~」などと救助を待ったところで後回しにされるのは当然です。
「みんなを助けてほしい」という気持ちはわかりますが、現場では優先度の高いところからしか対応できないのです。
自分でできることは「自助」で守る。これが防災の第一歩です。
水は1日3L!

停電は発電機用意するしかないけど、水や食料だったらどれくらいためておけばいいの?
農林水産省によると、飲料用と調理用だけで一人当たり1日3Lの水が必要と言われています。
最低3日分として少なくとも1人当たり9Lの備蓄が必要になります。
食料も3日分以上ほしいところです。
一般的には、災害支援物資は災害が起きてから3日ほどで到着することが多いといわれていますが、大規模災害や原発事故が発生すると輸送経路が途絶えてしまうので1週間以上かかるケースも少なくありません。
どれくらい備蓄しとけばいいの?
これまた農林水産省のサイトに、大人2人で1週間分の家庭備蓄例が載っていましたので引用します。
- 水 2L×6本×4箱
- カセットコンロ カセットボンベ×12本
- 米 2kg×2袋
- 乾麺(うどん・そうめん・そば・パスタ)
- カップめん類×6個
- パックご飯×6個
- その他(牛乳・シリアル等)
- レトルト食品(牛丼の素、カレー等18個 パスタソース6個)
- 缶詰(肉・魚)18缶
- 日持ちする野菜類
- 調味料
- 梅干し、のり、乾燥わかめ等
- インスタントみそ汁や即席スープ
- 野菜ジュース、果汁ジュース等
停電が長期化することも考え、冷凍庫や冷蔵庫が使えない前提で常温保存できるものを中心に考えるとなおよいでしょう。

うわぁ……、けっこう多いね
あくまでも上記は参考値だと思います。
地域や家庭状況に応じて、2週間分ほど準備しておくのも良いと思います。
そのほか、家族内に乳幼児、高齢者、食物アレルギーを持った人がいれば、その人にあわせて食材を備蓄しておきましょう。
私たちが備蓄するのには、「ローリングストック法」があってだな
わざわざ備蓄しようとするから大変に感じるのです。
「ローリングストック法」でふだん使いに備蓄の観点を入れればいいのです。
- 普段使っているものを多めに買う
- 古いものから使う
- 消費した分を買い足す

案外、シンプルだったw
これだけです。
後は備蓄分が賞味期限切れにならないように、意識して買いすぎないようにすればいいのです。
これを意識すると、缶詰やレトルトなど賞味期限が長い食品はなかなか便利だと気付きます。
「非日常」に対抗するために「日常」に対策をいれる。
これほど最強な手段はあるでしょうか。
『酒はダメなんで「おかゆ」下さい』
さすがに災害時にお酒は出ないと思いますが、気をつけたいのは「リフィーディング症候群(RFS)」です。
これは飢餓状態の人が急激に食事をとることで生じる症候群で、心不全や呼吸不全を発症するといわれています。

さらっと「心不全」って言っちゃったよ!
わたしは医学のプロではないのではっきりとこうすべきとは言えませんが、いきなり食事をがっつくのではなく以下のように進めたほうがいいと言われています。
- 栄養はゆっくりと増加させること
- 段階的に進めること
- 3~7日間かけて栄養目標量に達すること
長期間にわたり食事が摂れなかった後、糖質や炭水化物を急に摂取すると体内の電解質バランスが崩れて危険な状態に陥ります。
特に高齢者や糖尿病などの持病がある人は注意が必要です。

おなかペコペコなのにな。食べちゃダメなの?
その気持ち、わかるんです。
空腹時に理性を保つのが難しい、ってこと。
見ると食べたくなるんですよ、本当に。

私もあるよ。空腹時のスーパーやコンビニは「悪魔的」だもんね。
繰り返します。
ここは「ガッツリ食べちゃいけない」のです。
飢餓状態から欲望のままに急激に食べすぎると、最悪の場合、心停止を引き起こす可能性があります。
わたしも16時間ダイエット経験がある分、気持ちはすごくわかります。
だからこそ食べたい気持ちを全力で押さえて、消化のいいものから少しずつ食べましょう。
それが「生きぬくための正解」です。
食糧備蓄は「未来への投資」
備蓄は、いうなれば「生きぬくための投資」です。
しないからと言って生命の危機に瀕するわけではありませんが、いざという時の備えとして非常に大きいものです。
いくらお金があっても発災直後は食料を手に入れることすら困難になりますから、常に蓄えておくことは「明日の安心」につながります。
次回は「水」をどう備えるかを考えてみましょう。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。

「令和の兵糧攻め」に備えよ
生きぬく!研究所 