みなさんこんにちは、マーです。
今回の断捨離は、「デジタル資産」について考えてみます。
1億総スマホ時代
電子機器を持っていない人もいることは承知ですが、この見出しです。
いまやほとんどの人が何らかの携帯端末を持つ時代です。過言とは言えないでしょう。
組織だけでなく個人であっても毎日なんらかのデータに触れている、そんな人は私も含め大多数いるでしょう。

むしろデジタルに触れていない人のほうが貴重かも。
総務省のデータによれば、2021年の情報通信機器世帯保有率は「モバイル端末全体」で97.3%と報告されています。
つまり、ほぼすべての人がデジタル資産に触れているということになります。
そんな時代ですから、対策を講じなければあなたのデジタル資産は増えていくばかりです。
無いことが最強のセキュリティ対策
デジタル資産に触れている以上、個人情報やパスワードは大量に増え、その管理に手間暇がかかります。
それも数が増えるほど、情報流出のリスクも高まります。

めんどくさいから大変だよ~!
安易に作った分だけ資産や信用を失う可能性が高まります。
しかし、そもそもリスクのある情報が無ければ情報流出の危険性が減らせます。
もう使っていないアカウントがあるのなら、解約してしまいましょう。
初手はアプリ削除
一番取り掛かりやすいのはスマホの不要アプリ削除からでしょう。
使っていないアプリを削除すれば、スマホの動作が軽くなるだけでなく、アイコンによる視覚ノイズやお知らせ通知が減ってスッキリします。
アプリ自体は再インストールできますので、数か月以上使っていないアプリはこれを機に削除してはいかがでしょうか。
必要なアプリは人さまざまだと思いますが、極端な話、スマホ1画面に表示できるアプリ数で充分です。

え~?1画面で収まるの?
アカウント削除も忘れずに
ブラウザで表示できるモノをわざわざアプリで表示しているだけとか、もうやらなくなってしまったソーシャルゲーム(ソシャゲ)や暇つぶしSNSなど、なんとなく惰性で残したままになっているアプリはありませんか?

結構あるよ~、むしろアプリ削除ってあんまりやってない。
それは以前書いた「保留ボックス」スタイルで辞められます。
まず、そのゲームやSNSのアカウントは残しつつアプリを削除してその存在を忘れます。けれどもアカウントは残っているので、いったん保留状態になります。
数か月してそのアプリが無くても支障ないと感じたら、そのアカウント自体に退会申請をだします。
間違いなくもったいないと強く感じるでしょうが、今後使うことが無ければ「もう要らない子」なのです。

どこかで手放さないといけないかな……それもまた悩ましい。う~ん。
同じ要領で使わないサービスについてもアカウント削除申請しましょう。
これも結構時間がかかるので、過去のメール履歴やパスワード管理ソフトからひとつずつ使わなくなったサービスに退会申請を出しましょう。
聖域なき記憶領域改革
クラウドや記憶装置(HDDやSSDなど、以下ディスク)内もいったん全部洗い出しましょう。
以前、実物を捨てられないなら写真データでクラウドにバックアップを取る、とお話ししました。
それで実物を捨てられるのですが、今度はデジタル資産となったデータをどうしようかという話です。

デジタル化してもなお断捨離?
捨ててくださいと言うのは簡単ですが、実際に捨てられるかは別問題です。
むしろ捨てられないデジタル資産のほうが多いと思います。
それは、アクセスできることが心のよりどころとなるので、むしろ残しましょう。
捨てる判断
それでもいらないと思うもの、例えば次のような条件をすべて満たすデータなら捨ててもいいと思います。
- 心情的に、残したくない、あるいは残さなくてよいと思えるデータ
- 各種手続きに関わるもので、すでに手続きを終えているか期限の過ぎたデータ
- 似たようなアングルから撮った写真など、他のデータと重複しているデータ

今の自分にいらないデータも捨てようってことね。
これに合致するアプリ、メール、写真データ、動画データなどと多種多様なデータが存在しますが、ひとつずつすべてチェックしていきましょう。
ちょっと気が遠くなりますが、すべて遺すほうが将来的にもっと大変になります。
意外に何とかなる
これは私の経験則ですが、実際にやってみると捨てて後悔したケースはまずありませんでした。
時間がたつとクラウドやディスクにあることすら忘れてしまうのと、思い出の写真や動画は個人のインスタグラムにアップしているのでそちらを探せばいいからです。
SNSも一種のクラウドでサービス終了すれば投稿したデータも消えてしまうでしょうが、もっと大切なことは”データを遺すことより大切な人と一緒に活動した記憶”です。
あくまでもデジタル資産は思い出を呼び起こすための引き金でしかありません。

記録より記憶、かぁ。
「デジタル負債」問題
デジタル資産と書きましたが、すべてが資産になりうるわけではありません。
何のために作ったのか思い返せないような資料や保管期限の終了したデータ。
なかには他人に見せられない、いわゆる「黒歴史」になるようなデータもあるでしょう。
クラウドやディスクはそんなデータたちをやさしく受け入れ、しっかり保管してくれます。
しかしその保管庫が大量のデータ群であふれかえっていたとすれば、あなたは再び探し出せるでしょうか?

検索機能にまかせれば何とかなる、って思ってました。
検索機能が優秀なので探し出すのは問題ない、という人もいるでしょう。
しかし検索機能が優秀であればあるほど、あなたが求めていないデータまでたくさん拾い出してしまいます。
多すぎる物量は、かえって負債になる。
これは現物だけでなく、デジタル資産であっても同じです。
ハイハイ、削除しろでしょ?

けれども、削除したほうがいいんでしょう?
おっしゃる通りですw、よくご存じですね。
家庭内にある現物と違って、増えたところで重量は増えないしゴミの日も関係ない。
なんなら溜め込んでいても誰にもとがめられない、パラダイスみたいな状態です。
だからこそ見直しましょう。
溜め込むということは、それをアクセスしなければならない時が来るということです。

やみくもに削除するよりきちんと見直せってことか……。
家族旅行の思い出、行政に出さなければいけない資料、保管しなければいけない契約資料。
あとで探そうと思ってもどこのフォルダに追いやってしまったのかわからないし、検索ワードだって欲しいときに思い出せないものです。
仮に探し出せたとしても、探し出すまでの時間を考えたら何のための保管なのかわかりません。
終活?お前が始めた物語だろ?
人間いつ死ぬかわかりません。
そうなったとき情報端末に残されたデータは「デジタル資産」から「デジタル遺産」になりますが、遺族は貴重なデータなら遺してあげたいとかサブスクなど各種契約を止めたいとかの理由であなたのデジタル遺産にアクセスしようと試みるでしょう。
そんなときデータ量が膨大すぎて探せないとか、あるいはあなたが封印しておきたかった恥ずかしいデータばかり見られてしまう、ということにもなりかねません。

門外不出のデータは放置できない!
今はあなたしかアクセスしていないとしても、遺された家族が知りたいデータはアクセスしやすく、またあなた以外の誰かに見せても問題ないデータのみに厳選しておいたほうが理想的だと思います。
何でもかんでもかき集めて放置することは、遺された人だけでなくあなたにとってもロクなことにはなりません。
データによっては、あなたの手で終わらせなければいけないものもある、そういうことです。
「いざとなったらあとは任せる」は甘え
高齢者よろしく、自分がいなくなったら後は任せたというようなことを平気で考えている人もいます。
それは甘えです。

実家の祖父母に同じこと言われました。もう残す気マンマンじゃん!
考えてみましょう。
いくら遺族でもアクセス手段がわからないところから絶望し、アクセスできたとしても大量のゴミデータを突き付けられて、しかも何がどこにあるかも整理されていない。
これをさせられる側の心情を全く無視した独りよがりな思いに、いったい誰が共感してくれるでしょうか?

捨てないことが正義と信じ切っているから本当にたちが悪いよ。
そして場合によっては、他人に見せたくない恥ずかしくなるようなデータまで処分をお願いすることになります。
何も言わずに処分してくれるならまだしも、こういうのが好きだったんだ……みたいな話をされるでしょう。
うわっ…遺産意識、低すぎ…!
幼児でもないあなたがすべて他人に尻拭いをさせて、しかも見せたくない部分まで見せてしまう。
よく考えてみるとかなり狂気じみたお願いです。
それは自ら晩節を汚す行為にしかなりません。

生前整理ですら業者にお願いすると数十万円かかるんだって。遺されても困るだけ!
できれば見せてもいいものだけを資産として残したいものです。
そのためには平時からデジタル資産内部をきっちり断捨離して整理しておく必要があると思います。
これはあなたのためだけでなく、遺された人のためにもぜひやってください。
老若男女、むしろ全人類がやるべき
現物と違ってデジタル資産には形がありません。
そのため存在していたことすら気が付かないケースも多く、それがトラブルの引き金ともなりえます。
気軽に増やせる資産だからこそ、時間をかけてもいいから一度整理しましょう。
これはあなただけでなく私の課題でもあります。
最後にデジタル遺産にまつわる自分語りします
私は一昨年に実の弟を亡くしました。
病気を患っていたことによる死亡です。
その時、彼のパソコン内のデータを救い出そうとしていろいろ試みていたことを思い出しました。

突然のカミングアウトが重すぎる!
なんとかアクセスできたデータの多くは、彼が生前頑張っていたことの証や好きだったであろうゲームのデータがたくさんありました。
その中には、彼が晒してほしくないであろう「黒歴史データ」もたくさんありました。
すべてバックアップはしたものの、黒歴史データについてはすべて削除しました。
彼の尊厳を考えたら、とても遺せないと判断したからです。

……。
私はそう判断しましたが、これがもし遺産はすべて遺すべきと主張する遺族だったらどうだったでしょう?
もしもパソコンのデータ処分ができないからとそのまま遺品買い取り業者に引き渡してしまっていたらどうなったでしょう?
きっと、彼の黒歴史データが別の第三者にみられる状態にしてしまっていたかもしれません。
彼には天国で安らかに過ごしてほしいのに、それでは彼も落ち着かないでしょう。そんな思いは死後にまでさせたくありません。

自分が亡くなったあとのこと、考えないとなぁ……
ただしその判断は、亡くなった本人は選択できません。
言ってみれば、運任せであなたの尊厳をあなた以外の人にゆだねることになるのです。
あっという間に人は死ぬから
某ビジネス書タイトルの受け売りですが、本当にこれです。
日本人の平均寿命は男女とも80歳を超えました。
高齢者じゃないからまだ大丈夫と思っていても、人間はいつ死ぬかわかりません。

事故や天災はいつ起こるかわからないものね。
わからないからこそ、いつどうなっても後悔しないように断捨離しておくのです。
今日と同じ日が明日来ないかもしれない。そう考えないと断捨離も整理も進みません。
単なるきれい好きとか習慣とかそういった人間性で断捨離はするものではありません。
”未来はわからない、遺された人に迷惑をかけない。”
大事なことなのでもう一度書きます。”未来はわからない、遺された人に迷惑をかけない。”
この考えが断捨離には不可欠なのだと思います。
重いお話で失礼しました。
次回は最強の厄除け習慣について考えてみます。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。

見えない資産こそ整理せよ
生きぬく!研究所 
