勤労所得を考える2(会社勤めのメリット・デメリット)~お金について考える

みなさんこんにちは、マーです。

前回。会社勤めだけでは豊かになれないと書きました。

しかしそれだけだと、会社勤めを一方的に貶めてしまうだけでしかないので、冷静に会社勤めのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。

会社勤めのメリットは主に以下6つがあります。

  • 労働契約に基づいた安定的な収入が得られる
  • 社会保険料が会社と折半になる
  • 会社の看板で仕事ができる
  • 給料を得ながら仕事のノウハウを学べる
  • 手軽に対外的な信用度を高められる
  • 組合や法律(労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法など)に守られている

入社時に通常は労働契約を結びますが、毎月一定期日になるとこの契約に応じた給料が支給されます。この毎月一定期日というのが曲者で、定期収入があることに安心して、それ以上の行動をすることができなくなります。ここでのそれ以上の行動とは、勤労所得以外に稼ぐ方法や突然のケガやリストラでその勤め先からの収入が途絶えたらどうするかを想像して行動することができなくなる、ということです。つまり安定的な収入が思考停止をもたらしてしまうのです。

また、社会保険料を会社と折半していることもメリットです。おそらく多くの労働者は給与明細を見て「なんでこんなに引かれているのか」と嘆いたことがあるかと思いますが、実はそれとほぼ同額を会社も支払わされているのです。国内の多くの会社は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しており、各従業員ごとの報酬月額で等級が決まります。(参考:都道府県ごとの保険料額表)ざっくりですが、健康保険料は10%前後、40歳以上64歳以下のみ課せられる介護保険料は2%弱、厚生年金保険料は18.3%かかり、このうちの半分を会社も支払うのです。別稿で記載しますが社会保険は国内最高水準の保障なので他の民間保険の医療保険等に加入しなくてよいメリットも考えると、それが半額負担で済むのですから悪い話ではありません。

さらに会社の看板で仕事できることも大きなメリットです。普段の仕事はあなた個人で行っているわけではなく、あなたの勤めている会社の看板があるから取引してもらっているのです。ぽっと出の個人だったら、おそらく仕事を任せてもらえていません。そしてそのノウハウは安定的な給料を得ながら学んでいるとも言えます。そのおかげで対外的な信用を得ています。もしあなたが会社勤めを辞めたばかりの個人事業主だったら住宅ローンやクレジットカードの審査はまず通らないでしょう。

労働組合や法律に守られていることも大きいです。日本国内の会社であれば犯罪を犯した場合は別として、業務上でミスをしてしまったからといって即刻クビとはなりません。労働組合が機能していたり、またもし会社が労働者を解雇しようとしていても30日前の解雇予告期間があったり(労働基準法第20条)それば叶わなければ30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。そもそも解雇されるような働き方をするなという話ですが、法律上は労働者に有利な内容になっていたりします。

逆に会社勤めのデメリットは何でしょうか。これも6つあります。

  • 時間を拘束される
  • 収入の大部分を依存しがち(失業時のリスクが大きい)
  • 企業風土に左右される
  • 成果が会社のものになる
  • 賃金上昇スピードが低い
  • 必ずしも自分のやりたい仕事ができるとは限られない

まず大きいのは、労働時間として拘束されるということ。労働時間とは労働者が使用者(会社)の指揮命令下に置かれる時間のことで、労働基準法上は原則1日8時間です。1日24時間のうち睡眠時間を除くと活動時間の多くを労働時間として差し出さなければいけません。

それゆえ収入の大部分をその会社に依存することになり、その会社を離職してしまえば一気に収入源を失うこととなります。かといって他社でダブルワークしたところで限られた活動時間でかつ疲れ切った状態では、稼げる額だけでなく体力面や精神面でも限界があるでしょう。

企業風土に左右されるデメリットも見逃せません。どんなに求人票にきれいごとが描かれていようとも、ネガティブな情報までは求人票でわからないものです。社内雰囲気は最悪です、定時になっても帰れる雰囲気ではありません、お局社員が仕切っています、休日や時間外に拘束される社内イベントが盛りだくさん等々、求人者が本当に求めているような情報までは求人票に載っていないものです。

それでいてあなたが成果を出しても、それは会社のものとなります。会社に従属する以上、成果は会社のものになり、賃金上昇幅は会社の胸先三寸です。それは配属にも表れ、希望を出した配属先に回れるとは限りません。

いくら大手企業に就職していようとも、特定の組織に時間も収入も大きく依存する以上、それ自体がリスクとも言えます。

乱暴にまとめてしまえば、会社勤めは「ひとまずの安定は得られても見えない檻に囚われた自由」なのかもしれません。それを修行と割り切ってしまえばありかもしれませんが、上記のデメリットも考えることは大事かと思います。

それを嫌って個人事業主になってみても前述のロバート・キヨサキ氏のいう労働者ポジションは変わらないので、会社勤めと個人事業主のどちらがいいかと問われれば個人の価値観による、と思います。つまり安定的な収入やノウハウを着実に貯めたいか、会社都合に縛られず生涯現役でやっていきたいかの違いということです。いずれにしても収入すべてが日本円に全振りしているので、ここ最近の円安トレンドでは資産価値が目減りしてしまうリスクも見逃せません。

直近の生活資金を稼ぐならありですが長期の資産形成では不利になる、そういうことを知ったうえで次回は配当所得を考えてみましょう。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

短期と長期の両面から資産形成を考えよう。

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