みなさんこんにちは、マーです。
今回も引き続きFIREの実現を阻むいくつかの壁について考えてみたいと思います。
前回は金額の壁を考えました。今回は心理的な壁を考えてみようと思います。
その言い訳が未来の自分を困らせる
まず考えてみたいのは「できない言い訳に逃げる」心理です。自分は年収が低いから無理だとか、家族が協力してくれないから家計が赤字のままだとか嘆いて結局貯蓄できないパターンです。
気持ちはわかります。安月給で仕事を受けるしかない時期があった私の経験からすると、収入の大部分を税金や社会保険料、さらに生活費と捻出していくと手元にほぼ残らないなんてこともざらでした。そもそも最低賃金近くの金額で手取り月額10数万円では思うように貯蓄ができないのです。
それでも貯めるのです。
その当時私がやったことは節約と転職です。転職活動をしつつ、支払って当たり前と感じていた支出の見直しから始めたのです。当時支払っていた新聞をやめ、自動車保険を安い保険に切り替えたのです。今の節約界隈の常識からするとそもそも新聞なんてとっていないという人もいるでしょうが、実家で新聞を取っていた経験から当時の私は社会人になったら新聞は定期購読するものと考えていましたので、何も考えずに新聞を定期購読していたのです。それに当時は今ほど紙面の部数は落ちていない時代で、なんとなくネット記事よりは紙面のほうが安心感を感じていたのです。また新聞業界に一定の信頼感がある時代でした。名は伏せますが、とある全国紙では意識的に売国記事を書いていたりしてその後大きく販売部数を落としたと聞きました。新聞購読をやめる人が増えたのは純粋にネットで新聞記事が読めるようになっただけではないのです。
自動車保険もそうでした。カーディーラーで対面で契約する保険は安心感があり、ネットで契約するといざ事故を起こしたときにどこまでサポートしてもらえるか未知数なので踏み切れなかったというのも理由でした。しかしネットの自動車保険に切り替えたのち物損事故を1度起こしてしまいました。その時に丁寧に対応していただいたおかげで、掛け金の高い対面型には戻れなくなりました。
いずれにせよ解約前は、当たり前をやめざるを得ないと考えた当時の自分にとって少し切なさを感じながら解約の申し込みをしました。自身にとって当たり前と感じていることをやめることは、頭ではわかっているものの心理的には大きく喪失感を感じるものです。しかしそうしなければ生活維持の難易度が下がりませんので、当時は積極的にしなければならない項目の一つでした。ですが行動したことで、実際に生活維持の難易度を下げられたことは事実です。
それ以外の節約は他の記事でも提言していますが、格安スマホに切り替え、火災保険を見直しました。電力会社は地方の大手電力会社のままですが、プランを見直しました。その後、家族の協力も得て、家計全体では年間可処分所得の50%以上を貯蓄に回せている現状です。
転職も多くしました。会社の倒産や契約期間満了など自身ではどうにもできない転職もありましたが、それもあってか「勤務先が自身の生活を保障してくれる」などという勘違いをせずに済みました。おそらく同年代以上の大多数は勤務先に滅私奉公すれば報われると考えている方が多いでしょうが、その先に待つのは「終身労働しなければ生活が維持できないからたとえ定年再雇用で収入が激減しても今の勤め先を定年まで絶対に辞めることはできない」という悲劇です。
終身雇用させてもらえるならまだマシで、企業によってはその体力すらありません。世界時価総額ランキングで日本で唯一50位以内に入っている(2024年12月時点で47位)トヨタ自動車の豊田章男社長(当時)ですら終身雇用を守るのは難しいと発言(2019年10月13日 日本自動車工業会会長会見)した通りだと思います。そして企業が求めているのは安くて不満も言わない低賃金労働者であって、そんな企業ですら滅私奉公を求めなければ生活が成り立たないなんて、間違っていると言わざるを得ません。
貧すれば鈍する
それから考えてみたいのは「短期的思考に陥りがち」な思考です。つまり今の目の前の誘惑やその場の衝動に流されて浪費したり、収入額だけで不本意な仕事をしてしまうことです。やってしまってから後々これは高い勉強代だと自身に言い聞かせるしかなくなるのですが、そもそもの原因として自身に足りないものがあるから誤った判断をしてしまうことにあります。例えば空腹時にスーパーやコンビニに行けば間違いなく飲食品に手が伸びるでしょう。また月収が低いから良い生活をするには収入額が高ければいいと仕事を選びがちです。現時点で自身に足りない何かがあるからそれを埋めたいという心理が働くのはいいのですが、その判断が本当に良いものかどうかを確認しきらないまま突っ走ってしまうのです。
それを回避する有効策の一つは自身に余裕があることです。満腹のときに飲食品を買わずに済むように貯蓄があれば次の転職先をじっくり探す余裕も生まれます。時間やお金、物資に余裕があるかが判断力に大きな影響をもたらすのです。そう考えると、最初の話に戻りますが腹を決めて「必死に貯めていく」ことに尽きるかと思います。
しかし今日1円でも貯められば、未来の自分はもっと貯められているはずです。焦らずに貯めていきましょう。
次回は時間の壁や、具体的にいくら貯めるとどう変化するのかなどについて考えてみようと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。

言い訳に逃げるな