みなさんこんにちは、マーです。
今回は非常時の給電について考えてみたいと思います。
情報が取れないから「ちょっと何言ってるか分からないです(ガチ)」
災害時に困るのは電気が使えないことです。
照明はつけられず、スマホの充電残量がゼロならば通信制限も相まって避難所やSNSでの最新情報が取得できなくなります。

暗いのはイヤだけど、スマホ使えないのはもっとイヤだぁ
それはつまり「家族との連絡手段も使えない」ということです。
これだけスマホで情報取得できる時代で通信量も問題ないのに、電気が無ければどうしようもなくなるのです。
情報が受け取れない分、文字通り「何を言っているのか分からない」のです。
これは本当につらいものです。

給電って大事ね!
考えてみてください。
深夜に真っ暗で寒いうえに情報もない。
何かに襲われなかったとしても空腹は避けられません。
そんな状況で一晩過ごすのは恐怖でしかありません。
非常電源がまさに命綱になります。
「人々は理解できぬことを低く見積もる」ゲーテ(1749-1832)
そんな非常時にはどれくらいの電力量が必要でしょうか。
ゲーテの言葉を借りれば「人々は理解できぬことを低く見積もる」です。そこで調べました。
まず考えるべきは、何に電気を使うかでしょう。
スマホ2台+LEDランタン+ラジオ、これだけでも1日あたり100~200Whほど消費します。
一方で、ポータブル冷蔵庫や電気ケトルを動かすとなると、数倍の電力が必要です。
災害の規模や使用する家電によっても異なりますが、1,000Wh以上のポータブル電源があれば最低限の電力供給が1~3日間程度可能と言われています。

ポータブル電源?
ポータブル電源は言ってみれば「持ち運べるコンセント」です。
容量(Wh)・出力(W)・充電方式(AC/USB/ソーラー対応)の3つは注意ポイントです。ざっくりのイメージです。
- 300Whクラス:スマホ充電・LEDランタン・ラジオ用(スマホ5回+LEDランタン10h)
- 500Whクラス:ノートPC・小型家電用(ノートPC2~3h+LEDランタン10h)
- 1000Whクラス:小型冷蔵庫・電気毛布用(冷蔵庫1日+LEDランタン20h)
また、充電方法がACのみだと、停電後は再充電できません。
ソーラーパネル対応モデルを選ぶと、長期停電にも耐えられます。
「死なないために死ぬほど準備するなんて、みんなやってる事でしょう。」

ポータブル電源すごいじゃん!
ポータブル電源は災害時に便利ですが、高価だったり発火リスクがあったりと注意が必要だったりします。
そこで考えたいのは「モバイルバッテリー」。
充電となると多くの人が考えるのは「スマホの充電」です。
モバイルバッテリーをスマホ用のバッテリーとして準備しておけば、普段でも使用できます。

被災してなくても、とりあえずいつもスマホは充電しているよ。
1万mAh程度(スマホ2~3台分)あれば、短時間の停電なら十分です。
(スマホ(iPhone15相当)1回充電で約3,500mAh)
ただし、いざという時に残量ゼロでは意味がありません。ですから定期的に充電チェックしておきましょう。
また、小型ポータブル電源やソーラーチャージャーあたりならキャンプ・車中泊・アウトドア用途でも兼用できるので、初めての防災投資としても手ごろではないかと思います。
ソーラーパネルは万能ではない

太陽光発電ってあるじゃない。それはどうなの?
太陽光発電のエネルギー源となる太陽光は、尽きることのない資源です。
太陽光で発電できるというと万能に思えますが、実際は「昼の晴天限定」における発電方法です。
曇りや雨の日は発電量が1/5以下に落ちることもあり、経年劣化によって設置時よりも発電能力は落ちてきます。
さらに、角度調整や設置スペースも必要です。

地域性もあるよね。太平洋側と日本海側でも日照時間はだいぶ違うし。
それでも「自給できる」という安心感は大きいものです。
ソーラーは「電池を延命させる道具」と割り切って、ポータブル電源との組み合わせで使うのが現実的です。
車中給電という選択肢

最近だと電気自動車ってあるよね?それはどうかな?
各社で主流になってきたハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)や近年話題になった電気自動車(EV:Electric Vehicle)。これらは「巨大バッテリー」としてみれば優秀です。
シガーソケットや専用コンセントから電気を取り出し、スマホ充電や電気毛布、扇風機程度なら余裕でまかなえます。

それ、普通のクルマでもできるよ~
もちろん普通の自動車でも構いませんが、エンジンをかけっぱなしにする必要があるため、排気ガスによる一酸化炭素中毒問題や給油制限がある中でのガソリン消費など課題は残ります。
ただし使用には注意しましょう。
ハイブリッド車でも屋内では排気ガス対策のため使用禁止ですし、燃料残量には気をつけなければなりません。
また冬季にはバッテリー性能が低下することと、暖房の使用で電力消費が増加します。
とくに電気自動車で使用されるリチウムイオンバッテリーでは4℃未満になると性能が低下しやすく、充電時間の延長や航続距離の低下が起こりやすくなります。
電池残量はインフレと同じく「気づかず勝手に目減りするもの」
フル充電しても、自然放電やバッテリー劣化によって電池残量は減っていきます。
当然ですが、いつでも使えるように残量チェックが欠かせません。
目安としては、ポータブル電源は3~6か月ごとに充電チェック。
フル充電よりも「60~80%で保管」が理想です。
また、直射日光・高温多湿を避けて保管することも大切です。

じゃあ、ずっと充電しておけばいいんじゃない?
それは「過充電」になり危険です。
過充電は電池の容量が100%を超えても充電を続けてしまう状態で、電池の劣化を早めたり、発熱、発火、破裂のリスクを高めたりします。
むしろ防災上危険ですので、充電が終わったらケーブルを抜くとか80%程度で充電をやめるなどしてください。
備えは「安全に使える状態」で維持してこそ意味があります。
満天の星に気づいた2011年3月11日22時
あなたは照明がない夜を想像できますか?
勝手に回想モードにはいりますが、東日本大震災発災直後の夜。
信号以外のすべての照明が消えた幹線道路は、驚くほど闇の中でした。
いつもと同じ道なのに異世界としか思えない異様さだったことを記憶しています。

まーた突然、回想しだすw
そのくらい、「明るい夜」が当たり前の生活を私たちは生きています。
だからこそ停電時のために対策しましょう。

よほど田舎じゃないと、深夜でもなんらかの明かりはあるよね。
明かりがなくても落ち着ける心、
スマホがなくても判断できる冷静さ、
そして電気が戻るまでを耐える仕組み。
非常電源で安心を買うことはできますが、本当に大切なのは、それを使いこなす準備と想像力です。
停電の夜を一度シミュレーションしてみましょう。
その「想像力」が、きっとあなたの防災力を一段引き上げるカギです。

確かに漆黒の闇を体験しないと、電気の大切さは想像つかないかも。
次回は「自宅の安全対策」をどう備えるかを考えてみましょう。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。

非常電源を確保せよ
生きぬく!研究所 