家計節約上級編⑥横並び主義を捨てる~お金について考える

みなさんこんにちは、マーです。

節約上級編の6つ目は横並び主義を捨てることです。

「安心」と「普通」の罠

わかりやすく言えば「みんながやっているから安心」とか「これが普通」という言葉で何も考えずに消費や浪費をしていませんかということです。

大手企業に勤務しているから安心?

他メーカーでなくてトヨタ車なら安心?

社会人になったら民間の生命保険に加入するのが普通?

みんなが住宅ローンを組んでいることが普通?

では、その安心や普通は誰が保証してくれるのでしょうか。大手企業だからといって倒産しないわけはないし、製品にまったく不具合がないわけでもありません。普通というのも誰がお墨付きを与えたものかがわかりませんし、そもそも他人がやっているであろうことがなぜ自分にとって必ず取り入れなければならない動機になるのか今一つ理解ができません。

この衰退途上にある日本国内では安心なんてないし、価値観が多様化した現代でなぜ没個性を貫こうとするのでしょうか?

これはつまり、思考停止に陥っていることに気づかない状況なのだと思います。他者を理由に問題ないとするのは、あまり主体的とは言えません。これと似た言葉に「前例主義」という言葉もありますが、同様です。

盤石ではない「安心」と身の丈以上の負担を強いられる「普通」

安心や普通というものが一体どの程度なのか具体的な数字で調べてみます。

帝国データバンク「全国企業「倒産リスク」分析調査(2024年)」によると倒産予測値算出対象の国内企業147万社のうち、2024年12月時点で高リスク企業は全体の8.6%にあたる12万6960社だったといいます。この統計には中小企業が多く含まれており大手企業ばかりではないことに注意が必要ですが、1割弱の会社は倒産リスクを抱えているということです。

トヨタの2024年車両販売台数はグループ全体で1,082万台余りで、独フォルクスワーゲンを上回って5年連続で世界トップとなりました。とはいえ世界シェアが高いから安心というのもよくわからない話です。トヨタ車であれ他社製品であれリコールは発生しうるし、相当な事故を起こせば乗員の命に関わります。(参考:独立行政法人自動車事故対策機構 自動車アセスメント(JNCAP)

民間の生命保険加入率は30歳代~60歳代の各年代で80%以上の人が加入しています(公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度)が、社会保険(健康保険)や国民健康保険に強制加入してもなお手厚い保障が欲しいのか、あるいはよくわからないけれどそのまま加入し続けているケースが大半ではないかと想像します。

それから住宅は確かに現金一括で買うには高額すぎます。ただし必ずしも新築でなければいけないのでしょうか。子どもは10数年もすれば親元を離れるケースが多いでしょうし、国内では空き家が900万戸(総住宅数に占める空家率13.8%、総務省)もあり、さらに物理的耐用年数はメンテナンス次第ですが木造でおおよそ30年といったところでしょうか。うがった見方をすれば「住宅は大量に余っている耐久消費財」なのです。購入自体は否定しませんが、購入後の維持管理費用など含めた住宅ローン返済額以上の金額を人生のほぼ大部分をかけて負担していかなければならないとも言い換えられます。

少し調べてみただけでも安心は盤石なものではないし、普通とは現代人の多くにとって身の丈以上の負担を強いられる価値基準とも言えます。ただし、これらにお金を費やしていることを否定するとかそういった趣旨ではありません。冒頭でも書きましたが「安心」や「普通」の言葉で思考停止していませんかと問いたいのです。

お金を使うときは、面倒でも思考停止していないか一度止まって考えてみましょう。これは上記のような大きな金額が動くケースでなくとも同じです。

次回の節約上級編は本気以外の趣味を手放すについて考えてみたいと思います。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

マー
マー

安心や普通に惑わされるな